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大人も子どもも、迷って笑って、それでいい。蒼井優さん・呉美保監督対談 【映画ふつうの子ども】

大人も子どもも、迷って笑って、それでいい。蒼井優さん・呉美保監督対談 【映画ふつうの子ども】

思い通りにはなかなかいかず、毎日バタバタ。でも、子どもと過ごす時間には、愛おしさも、大変さも、うれしさも、ぎゅっと詰まっている。

9月5日公開の映画『ふつうの子ども』は、そんな親子の何気ない日々にある、きらめきや揺らぎを描きながら、主人公の子どもたちとともに、ひと夏の冒険と日常をたどっていく作品です。家族新聞を運営するBsizeは、この映画の思いに共感し、協賛しています。

今回は、主人公の母親役を演じた蒼井優さんと、監督を務めた呉美保さんに、作品づくりの背景や子どもに向ける思いについて伺いました。

親子でいっしょに観て、語り合える映画を


『そこのみにて光輝く』(モントリオール世界映画祭 最優秀監督賞)や『きみはいい子』(モスクワ国際映画祭 最優秀アジア映画賞)など、国内外で高い注目と評価を集めてきた呉美保監督。

子どもと一緒に観たあとに、話がしたくなるような映画があったら——。そんな思いから映画「ふつうの子ども」が始まったといいます。

「もともと私は、週末に子どもと映画館に行くことが多くて。ただ、ふと自分が観たいと思う作品を選ぼうとすると、子どもに嫌だと断られることもあり、選択肢がやや限られているなと感じていました。たとえば映画を観た後に『あのシーンどうだった?』と一緒に語り合えるような、そんな映画があればいいなと感じていたところ、この作品とご縁をいただけて、本当にうれしく思いました」

主人公の母親・恵子役を演じたのは蒼井優さん。撮影中は毎日現場に行くのが楽しみだったと、笑顔を見せます。

「台本を読んだ瞬間から、完成した作品を早く観てみたいと思うほど、物語に惹き込まれました。真夏の撮影で本当に暑かったのですが、子どもたちと過ごした時間がとても心地よくて。主人公を演じた嶋田鉄太くんは、自分のペースをすごく大事にしていて、私もリラックスして臨めました。子どもだから私が何かしてあげよう』というよりは、彼の演技を見ていたい、そんな感覚になりましたね」

みんなきっと“不完全なまま”子どものそばにいる

映画『ふつうの子ども』公式HPより抜粋

映画には、親が子どものことを「わかっているつもり」でも、実はわかっていないような場面も描かれます。呉監督は、ご自身の子育てと重ねながら、こう話します。

「子どもが生まれたからといって、すぐに“親になれる”わけじゃないですよね。みんな迷いながら、精いっぱいやっている。私もこの映画を、自宅で夕飯を作りながら合間に編集していたこともあって、子どもの迎えの時間になると家を飛び出して……もう毎日とっちらかっていました。でも、そのぶん子どもがしっかりしてくれることも多くて。そういう意味では、子育ては成功してるのかもしれません(笑)」

蒼井さんもまた、子どもとの関わり方について、最近はっとした気づきがあったといいます。

「先日、芸能関係の友人と『子どもが芸能界に入りたいって言ったらどうする?』という話になったんです。私は少し迷いがあるというか、“どうかな……”と思う気持ちがあったのですが、その方は『全然OK』と即答していて。理由を聞くと、その友人自身が小さい頃からずっと芸能界に憧れていて、中学生のときに思い切ってお母さんに相談したら、『なんで私に聞くの? あなたの人生でしょ』と返されたそうなんです。その話を聞いて、私はとても驚きました。自分の中に、知らず知らずのうちに子どもに干渉しようとしていた気持ちがあったんだと気づかされました

 

親の心配や願いが、思いがけず子どもの選択や自由を狭めてしまう可能性がある。でも、子どもは親の一部ではなく、自分の意思を持ち、自分の道を歩んでいく“独立した存在”。そんな気づきを共有してくれた蒼井さんは、最後に、映画の公開に向けてこうメッセージを伝えます。

「私が映画の中で演じた母親は、子どもを信じて伸ばしたいと思いながら、育児書を読んではすぐ別のことを試してみたり、周囲の声に揺れたりするタイプです。この映画には、そんな不完全な人たちしか出てきません(笑)。でもだからこそ、『ああ、こういうことあるよね』って笑ってもらえたらうれしいです」

その言葉にうなずくように、呉監督も続けます。

「今まさに子どもである人も、かつて子どもだったすべての人にも、それぞれの視点で楽しんでもらえたらうれしいです。お子さんと一緒に笑って語れる、そんな作品になっていると思います」

子どもの冒険を支え、挑戦を見守る

日本一多くの子どもを見守るGPS「BoTトーク」は、映画「ふつうの子ども」の世界に共鳴し、本作に協賛しています。

本作が描くのは、日本の「ふつうの子どもたち」の、あたりまえの日常。一見変哲のない日常に見えるけれど、そこには恋アリ、冒険アリ、環境活動アリの”事件”だらけ。子どもたちは、そんな毎日を全力で生きています。「BoTトーク」が見守るのも、そんなあたりまえの、ふつうの日常です。

BoTトークのユーザーでもある呉監督はこう語ります。

「小学生の子どもがいて、習い事の帰りが少し遅れるだけでもつい気になってしまうので、BoTがあって本当に助かっています。 子どもと良い距離感で、"おかえり"と穏やかに迎えられる親でいたいですね(笑)」

子どもが自分の足で歩き出す背中に、私たちはどう寄り添い、見守ることができるのか。映画『ふつうの子ども』と「BoTトーク」が交わったこの機会が、子どもの冒険を支え、挑戦を見守ることの意味をあらためて考えるきっかけになればうれしく思います。

▶︎映画ふつうの子ども公式HP
▶︎劇場情報
▶︎子ども見守りGPS「BoTトーク」公式HP